なぜかあたしの心臓は、 今までにないほど騒がしかった。 「ね、入んないの?」 愁にそう言われ、 ますますドキドキする。 『は、入ります…』 あたしは震えた声でそう言った。 愁の家は綺麗な一軒家で3階建て。 愁のお母さんも優しく、丁寧に、 迎え入れてくれた。 「2階の突き当たり、 俺の部屋だから入ってて!」 愁はそういうとリビングらしき場所へ バタバタと走っていった。 2階の突き当たり… あたしはぴかぴかの階段を上って 2階へ上がった。