それからしっかり手を繋いで帰った。 あたしの家に向かってるんじゃない… 愁の家に向かってる。 だからいつもと帰り道が違う。 見たことのない景色を見ながら歩く。 「…かわいい」 あたしがきょろきょろしていると、 愁がプっと笑い、そう言った。 ば、馬鹿にしてる…! 『うるさいな…』 恥ずかしさから、 可愛気のない言葉が出てしまう。 「着いた」 しばらくそんなやり取りをしてると あっという間に愁の家。