そのあと、HRで修学旅行の話がされた。



「実行委員やりたい人

誰かいない?」


担任のたっちゃんが、

皆にそう呼びかける。


しかし誰も立候補しようとはしない。



周りからはコソコソと

面倒だとかダルいだとか文句が

よく聞こえてきた。





そんな中、真っ直ぐと手を伸ばし

立候補する人がいた。



「俺やってあげる!」


愁だった。

やっぱ優しいよね、愁。

あたしでもイヤなのに。


そんなあたしの気持ちは

一瞬で消えた。


「瀬南と一緒でいいなら」


愁がこんな事を言うから。



は…?

なんであたしまで!



『え!あたし忙しいです!』


必死に拒否しても、愁の寂しそうな

顔を見てしまったからには

拒否もできなくなってしまった。