あの日の夕日が優しかったので





たぶんきっと相手もどうにか
この雰囲気を変えたいらしく、
言葉を探しているようだ。


こんな時、自然に会話がみつからない
自分の不器用さを改めて恨めしく思う。





耐えがたい空気に
唇を噛みしめている中、



ふと、気まずい沈黙を破る声が
響いた。



「あ、翔くん。
 かずがねー写真部入ってくれるって。」



(ナイス!!)

少しずれてるが、絶妙なタイミング
での春の言葉に
心の中で涙を流した。








「・・まじで?!」




バッと顔を上げ目を輝かせ
僕の顔を覗き込む。





その勢いに圧倒されながらも
コクリと頷く。









「ッシャアアアア!!」




ビックリするくらいでかい声を
あげてガッツポーズをした。