あの日の夕日が優しかったので





「俺の?」




「そうお前の。」












――――――さくらざか しゅん





(まるで、)





「しゅん、って、春ってかくの?」




「うん。」








(あぁ。)


そう、まるで






春に咲く花のように


ヒラリと舞い散る桜のように


頬を撫でる柔らかな風のように


温かな陽だまりのように





(こいつは春の子なんだ)







そう思わずにはいられなかった。