「おい・・・」



「うん?」






どれくらいこうしていたのだろうか。

他人の腕の中で散々泣きじゃくっていた僕は
徐々に冷静さを取り戻し、涙も落ち着いてきた。



と同時に。



今ある状況に今更ながら赤面した。






だっておかしいもん。



だって僕こいつのこと知らないもん。



しかも抱きしめられてるぜ。

おいおい笑っちまうよ。






「もう・・いいよはなしてありがとう。」


「あ、ごめん・・」


そう言ってそいつはゆっくりと腕を緩めた。





(なんか、ちょっと寒い)