「うん、レイが幸せならそれでいい。

レイの幸せを一番に祈る

近くにいるだけが愛じゃない、遠くで見守る。そんな愛も・・・」


「やめて、聞きたくもない。変だよ、何を言っているのか分かってるの?絶対に可笑しいよ、可笑し過ぎる」


 直樹の気持ちなど全く受け入れられなかった玲子に対して、直樹は更に玲子の気持ちを逆なでするような行動をとった。


「これ、クリスマスの約束だったけど、誕生日プレゼントとして受け取って欲しいんだ」


直樹が差し出したもの、


それは約束していた一枚の絵だった。


「こんなの受け取ったら直君の事が忘れられなくなるだけじゃない」


受け取りを拒む玲子の手を取り、直樹はそれをしっかり握り締めさせた。


玲子が直樹の前で最後に残した言葉はこうだった


「変だな。何にも悲しくない。切なくも何ともない。

やっぱり明美が正しかった」