「雨が降って来たみたいだよ」 



直樹はそれを理由に戸惑いを見せた。



「あの場所でなければ、私の人生が始まらないような気がするんです」


「・・・」



「お願いです。今日だけは私のわがままを聞いて下さい」



そこまで言う玲子に直樹の決意も固まりを見せた


コンビニで一本の傘を買った二人は相合傘のように寄り添いながら高台へと向かった。


「この光りの星座は雨の日でも見えるんですね。新しい発見かな」


「・・・・・」


「でもぼやけて見えないからダメですよね」


玲子は直樹から離れ雨に打たれた。


そんな玲子をずっと見つめ、直樹も傘をたたみ、自らも雨に打たれた。


雨は一向にやむ気配もなく、益々激しさを増した


そんな時遂に玲子がその思いの全てを告げようとした。