5年先のラブストーリー-この世のしるし-



「言っているのと同じだよ」


「一度に複数の人を好きになるのは無理だと言っても、所詮その場凌ぎじゃないかな」


「でもそれを言って欲しい時だってあるんです」


「気休めにはなるよね」


「・・・・・」


「二人の愛がニセモノ、ゲームとして許されるならそうするよ」


「理想と現実は違うよ」


「違うよ。だからこそ現実を受け止める。たとえ辛くてもそれが真実なら受け止めるしかない。受け止められるはず」


「全然分からない。分かりたくない」 


玲子は震えながら言った


「自分を偽ってまで嘘はつけない」


「結局、直君も他の男性と同じ、他の女性に目がいってしまうんだ」


「・・・・・」


「やっぱり否定しないんですね」


直樹が否定出来なかった理由はや・は・り……自身の気持ちを語っていたからだった。