そんな姿に玲子は「クスッ」と笑った。
初めて出逢った時にも同じように笑われた事に内心ドキッ!とした。
そうとは知らず玲子は言った。
「工藤さんは、いつも慌てふためいているんですね」
「い・つ・も?」
その言葉に玲子が自分の事を覚えていると知り心臓の鼓動は破裂寸前だった。
そうこうしている内に、玲子は診察室へ戻って行った。
直樹は心拍数も上がったまま、過去の記憶に苦しめながら薬局へと向かった。
一方、診察室に戻った玲子は先に入ってた子にこう言った。
「あれ?健太君、今日は泣かないんだ?」
「うん、さっき横に座ってたお兄ちゃんに、これ貰ったんだ」
玲子は一瞬で、それは直樹の事だと気づいたがその絵を見て特別何かを感じると言う事はなかった
すると、健太はその絵に描かれた様子を得意気に話し「僕、手術受けるよ」と告げた。
それと同時に玲子はさっきまで何とも思わなかった絵に衝撃を憶えた。
