そんな二人を急接近させたのは互いが選択した美術の時間だった。 直樹は別に美術に興味があった訳でもない。 ただ単に選択科目で 「美術・音楽・技術」の中から、一番楽が出来そうな科目を選んだけだった。 案の定、身の入らない直樹は、毎回デタラメな絵を描いては適当に時間を潰していた。 そこへ肖像画の課題が出された。 誰の顔を描くかはくじで決められた。