「急に泣いたりしてごめんなさい」
「生きていたら何だってあるよ。自分が強くなろうとしても、結局、周囲から影響を受けて目標すら見失ってしまう事もある」
今、まさに玲子が欲しかった答え!そのものだった。
“あの時の絵が教えてくれた進むべき道”
「今の私って、目標を見失っているのかも知れません。何の為に介護の道を歩もうと思えたのか?それが分からなくなって、原点すらどこに戻ればいいのか・・」
『何の為に』
直樹には玲子の叫びとも取れる、この言葉が届かなかったのだろうか?
何も言わず立ち上がった
一人夢中になり、帰りの時刻も気にしていなかった玲子は、話しの途中でも、家が遠い直樹を気遣い、その行動に従うしかなかった。
