「他の生徒もこんなに書いているんだ?」
その時だった。
周囲の考え方が許せなかった玲子は、他の者を否定して止まず、調子づいて話した。
「誰も介護の事なんて分かっていないんです。ハンデを克服しようと生きている人はみんな必死なんです。それを見ていると、こっちまで刺激を受けて強くなれるんです」
「それはどうかな!」
いきなり直樹の口調は強くなった。
これまで、直樹を信じ話して来た玲子にとって、急に否定された言動は、全てが打ち砕かれたかのようだった。
学校での孤立、またその事で勉強に集中出来ない自分を思い出され、暗い表情になった。
