「結局、読み手には分からないけど二人だけの世界を楽しんでいたのかな?

何も肝心な所で『空白』にしなくてよかったのよ

全ての障害がなくなった
あの雨の日に高台で・・・」



「やめてぇーーーっ!」



玲子はかつてない大声で叫んだ。



そして呼吸も出来ね程、一種の酸素不足のようなものに陥った。



「・・うそだよ・・」



そう、玲子は5年前、直樹に放たれた言葉を一言一句思い出していた。


「重すぎるよ」


「こんなの迷惑、迷惑!勝手すぎるよ!」


「玲子、玲子?」



再び大声を出した玲子は明美の声を振り切り飛び出して行った。



その後、事実を知った玲子は震えを止める事が出来なかった。


そして、二度と会えぬ現実に直面し涙が止まらない程、泣き喚いた。