「ううん、明美が言ってくれたように運命の人なんていないんだね」



時が過ぎれば、そこには必ず過去がある。


玲子と明美にもそれぞれの過去があった。


年を追う事に未来への希望はどこへ行ってしまったんだろう。


二人の会話には過去への後悔、現在のやり場のなさ、ましてや未来に臆する言葉しか出て来なかった。


そんな冴えない会話に明美はあるサイトの携帯小説を玲子に見せた。



こんな偶然があるのだろうか!?



明美が見せた小説のタイトル、それは玲子にも聞き覚えのあったタイトルだった。



しかし玲子は単なる偶然だと、あまり興味を示さなかった。



そして明美はその小説について語り始めた。