春・夏・秋・冬



季節は巡り、二人は互いを忘れていたのだろうか


二人が出逢って、5年の月日が流れようとしていた。


その間、直樹がどこで何をしていたのかは誰一人知る者がいなかった。


一方、玲子は恋愛もし順調かと思いきや、仕事、人生までも不安な日々を送っていた。



そんな玲子は久しぶりにかつての友人、明美を尋ねていた。



「明美もお母さんか」



「本当にこれでよかったのかな」



「明美らしくないよ」


「うーん。ただ仕事が嫌で結婚を選んだ感じ。何をしてもダメなものはダメなのよね。私っていったい何なのかなぁ」



「・・・」




「あ、ごめん、玲子の方がもっと大変だったんだもんね」