黙り込む玲子を見兼ねて直樹は勇気を振り絞り声をかけた。
「よかったら、お茶でも飲んで行こうか?」
玲子は直樹からの予期せぬ誘いに動揺してしまい思わず「でも・・・」と言葉を濁してしまった。
一瞬にして焦ってしまった直樹は「アハハハ・・・!俺、何を言ってるんだろうね」と返すと「工藤さん、家が遠いみたいだから、早く帰らないと・・・」
その受け答えに直樹の心臓は破裂しそうだった。
このままではいけないと直樹は必死だった。
「ごめん・・・名前も知らないのに、いきなり誘うなんて可笑しいよね」
「ううん、実は私の方がお誘いしたかったんです。でも工藤さん家が遠いって・・・」
