「別に、言わなくたっていいだろ。俺はお前のオトコトモダチなんだから。」

キィッっと向けられた都貴の視線が
怖かった。

なぜか都貴は、オトコトモダチ。
と、強調させていっていた。

「あっそ。じゃ、もー聞かないわよ。」

「俺急いでるし。先行くわ。」

「早く行けば。」

なににイライラしていたのか...。
このとき私は都貴に対して、ケンカごしに
話していた。

「んじゃ。」

都貴は私に背を向けて、
手をあげもせずに階段から立ち去った。

「なによ・・。都貴のばかぁ・・。」

知らぬうちに、私の頬に
小さくて冷たい粒がつたっていった。

「・・うぇぇん・・。ひっく・・。」

その小さな粒は次第に増えていって、
地面にはちっちゃな水溜りが出来上がっていた。

その水溜りは、
私の気持ちをあらわにしていた。