……ってまあそう言うても、半ばヤケクソっぽく熱唱するカズマの気持ちもようわかんねん。


本日の合コン。

4対4ながら実際には4対1みたいなもんや。

リョウの隣に居座り、さっきから甘えた声を上げる女は確かにめちゃ可愛え。

まぁ少し作り物っぽいのは難点やけど。


だけどそれ以上にいただけないんは、他の女はぶっちゃけ微妙の一言。


地味やねん。
薄いねん。
その辺ですれ違っても確実素通りやねん。


だから俺もカズマも、あともう一人リョウのクラスメイトの浩も、ここ来た瞬間からかなりテンションだだ下がり状態やし。


主催者のこの女、よっぽどリョウをゲットしたかったんやろ。

あからさまに作為的すぎるやろ、このメンツ。


そのせいでやる気ないオーラ出しまくってるんに、俺の隣の地味1はさっきから無駄なアプローチを重ねてきて、今度は俺の肩にコテンと頭を乗せる。


「なんかさー関西弁って超いい。
そんなんで口説かれたら
クラクラしちゃう〜。
やばいー!!身体熱くなってきたー」

「は?
俺全然そんな気ないんやけど。
ってうざいから触んな!!」


あかん。
頭にきすぎて心の声が出てもうた。

でももうええか、別に。


「その声で“好きや”とか言われたら即効ホテル行くし〜」

「なんやねんそれ。
俺の地元の奴らみんな関西弁やで。
したらお前全員に股開くんか」

「やだ〜!
ケンゴ君エッチ〜。
私いいよ。
ここ抜けて他の場所行っても」


……ほんまに駄目やこの女。
何から何まで限界超えや。