――――――

あのくそ女。
一体どうしてくれようか。


駅校内の時計を確認する事数十回。
その度に頭の中が温度が１℃ずつ上昇してるような気がする。

このままいくと確実脳内火傷。


クソ柳田。
何やねんな、このありさま。

やってあいつは昨日確かに言ったはずだ。
『ライブハウスに行きたい』って。


だから学校休みの今日。
こうして待ち合わせの場所に来たってのに、約束の時間を３０分過ぎた今も一向にその姿を現さない。

影すらない。
もはや来る気がしない。


ああそうか。
ドタキャンか？
すっぽかしか？

もしかしてこの仕打ち、
あいつを利用した腹いせか？


昨日は少しも恨んでなさそえうな素振りを見せておいて、内心ではめっちゃキレてたって訳か。

俺としたことが。
まんまと騙されたわ。

美術部に入ってるのがもったいないぐらいな、あの神がかった演技力に。


最後の確認とばかり。
俺らと同じ待ち合わせ場所を利用する、多数の人らをグルリと見やった。

けど案の定。
影すらない、その存在。