「あーはっはっは!
お前何やそれ、下手すぎやろ?
俺の弟の方がよっぽどましな絵かくわ。
ちなみに四歳な。

なのにお前、何やねん。
その腕でヌードとか被写体とかエロスとか偉そうな事ぬかして、調子のんなや」

「はあ?余計なお世話!
絵画はね、目で見るんじゃなくて心で感じるの。
あんたには理解出来ない世界だろうけど」

「あーそのらしい言葉もさらにウザイ。
つか死ぬ。
笑い死ぬ〜。
お前中学の頃からやってんねやろ?
可愛そうになあ、才能ないんやなあ」

「しみじみ言うな」


腹を抱えて爆笑する俺の横でまたキャンバスに向かう柳田。

俺の猛毒を食らっても何ら動じず。
やっぱり自分の事を凄く良くわかってるっぽい。
もはや漢やな。


マジでウケる。
こんなに笑ったの久々やし。

それぐらい破壊力のある映像やった。


まだ笑いの残る中、俺に横顔をむける柳田の座る椅子に蹴り。

もはや遠慮なんか微塵にもない。


「オラッそんなんええからこっち向けや。
んでキャンバスはあっち向けろ!
これ以上そんなん見せられたらマジで死んでまう」

「あ?何?ウザ!」


超面倒くさそうに、でも仕方なく俺の方を振り向く柳田。

ってヤバい。
もはやコイツの顔見てるだけでも笑えてくる。


「お前おもろいな。
お前みたいな変な女初めてやし。
去年同じクラスの時もっと絡んどったらよかった」

「え?
そんなに私と仲良くしたいの?
だったらヌード……」

「だからやらんて」

「ちっ!」


堂々と舌打ちして、本気でガッカリの顔をする。

その表情もおもろくてまた盛大に大笑い。


ほんまにヤバい。
この親しみ感はもはや同性の域。


この後俺は時間を忘れ
当初の目的も忘れ、
この変態毒舌エロ女と更に親睦を深めたのやった。
(もちろん色恋抜きでな)

――つかどないやねん、コレ。