第一俺かてバカやない。
どうすればええかなんてわかってるわ。

ミヤと本気で向き合うか
この関係に早急に決着をつけるか。


……でもなぁ、別れるには正直惜しいねん。
しかも俺と別れたミヤが、俺やない男といちゃついてんの見んのもぶっちゃけちょっと嫌やねん。

束縛とはちゃうで?
基本あいつが他の男とメールしようが遊び行こうが気にならんし。

言うなればちょっとした独占欲や。
(この辺のさじ加減は微妙な男心やん)


だから本気であいつを好きになれんかなぁと思って、さっきシンにあんなアホな質問してみたわけやけども……。

うん、絶対無理やな。


――ってあかん。
何やねんこのウジウジ加減。
こんなん俺らしくないし。


そうやって煙を吐き出しながら悶々とする俺の側で、シンは“さっさと帰れ!”と顔に書きながら低い声で言う。


「もうさ、色々メンドクセーなら全部放り出しちゃえば?
ほら、例えば学校辞めるとか」

「ふ、またお前はそれかい」


最近のシン、二言目にはいつもこれやねん。


俺らより一つ上。
高校途中でドロップアウト。
現在適当フリーター。

……実はこんな経歴を持ったコイツのモットーは“音楽の為にならん事をするのは時間の無駄”。

よって学校?
勉強?
人並み?
親孝行?
――何それ、旨いの?

って感じで俺らがフツーの高校生やってる事に日々イラついてんねん。
“んな暇あるんだったら、さっさと東京行ってプロ目指してぇ……”って具合に。


頭ぶっ飛んでるやろ?
変態やろ?
めんどくさいやろ?

――でもそういう考え、俺正直嫌いやないねん。
困った事に。