結局俺は音楽が全て。


恋愛はほんの少しのスパイスで、誰が好きとか嫌いとか。
そんなんで頭を悩ませるのはやっぱりかなりめんどくさい。

このスタンスは永遠に変わらんと思う。

それよりも一音でも多く。
音を紡いで、生み出して。


隣ではまだ何かに頭を悩ませてるエロ女。
とりあえずこいつはほっといて、ゴロンと屋上に寝転んだ。

心地よい風が妙に眠気を誘い、無意識に目を閉じる。
すると自然に頭に浮かんできた軽快なドラムのリズム。

いつまでも止まないそれ。


――今の俺の一番の願いは
“音楽で飯を食っていく事”。

その為ならどんな犠牲を払ってもかまわん覚悟で。


それでもいつか。

誰かの為に。
誰かを想って。

なんて未来がこの俺にもあんのかな?
……って。
うん、多分ないな。
いや、絶対やな。


――そう心に誓った数分後。
調子に乗ったこの変態女に寝込みを襲われるとか。

せっかく浮かんでた渾身のメロディーがぐちゃぐちゃにぶっ飛ぶとか。

この時の俺はまるで想像もせず。


このクソ女!!油断も隙もない。
さっきの話早速撤回や!ボケッ!!



【Fin】