それから3日間は周りがやたらと煩かった。


クラスメイトやら部活の連中やらが

「お前新しい女出来たってマジ?」
とか(いちいちうるさいわ)

「前の彼女可愛かったのに勿体ね〜」
とか(お前の意見なんか知らんし)

「つかあの新カノ誰?二年?」
……とか(頑張れ、柳田)


ちなみにリョウやカズマは特に何も言ってけえへん。

俺がその手の話題ふられるの嫌いなん、十分わかってるからやろう。


ともあれ、こうやってあんまり近寄んなオーラ発してる俺の回りでさえこんな騒がしいんやから、ミヤや柳田の周囲は一体どないなってんのか。

まったく悪かったとしか言いようがない。


あっさり別れるつもりがこんな大げさになってもうて、俺が色んな事のやり方を間違えたのだけは確かや。

ほんまに誰か突っ込んでくれへんかな。
“お前たいがいにしろ”と。


それでも最低な人間なりに、俺にはコレを最後まで見届けなあかん義務があんねん。


やからこうして週の半ばの昼食時。
食堂で向かい合って座る柳田と、仲良くカレカノごっこを続行中。


「なあ」

「ん、何?」

「やっぱりお前もうるさく聞かれたりする?
俺らのこれについて」

「まぁ、そこそこ」


ハヤシライスを食いながらのあっさり返事。


「えらい簡単やん」

「うん、別に全然どってことないし。
逆に“よくやった”とか言われて。
私の周りあんたのグループファン多いから」

「……何や、それ」


やっぱり類友や。
コイツ同様友達も変わった人種とみた。


「でも彼女は大変そうかもね」

「え?彼女?」

「だってあんた達が別れたって噂回ったとたん、美少女ミヤちゃん色んな男に言いよられてるらしいよ。
ほら、それまであんたが怖くてアプローチ出来なかった腑抜け野郎達が、ここぞとばかりにつきまとって」

「……それ、ほんまに?」