「それが、光や闇といったモノとなり、世界の礎となったのだ……」
「……それで、神の力というのは………」
「……『究極防御』と、『光の裁き』だ。」
「究極防御………?」
「聖櫃の回りに常に空間の断層を形成し、あらゆる攻撃をその断層に『飲ませて』しまう………故に、究極防御……」
「………光の裁きとは………?」
「……この世界は、あらゆる光に満ちている……」
「…………………は…………?」
あまりの唐突さにアルナスは言葉を失った。
「……星の光、太陽の光………そして、命の光……それらは、全て神の手による物だ…故に神は、その光全てを操ることができる……勿論、命を奪い取る様な真似は出来んが…代わりに、命を削る様な技を放つことは可能だ……」
「……それが…神の技……」
「そうだ。故に神には、ほぼ全ての攻撃が意味を為さない。命の塊である霊体は勿論、魔法も届かない。唯一、近接攻撃は可能だが、その体自体を高密度の魔力が覆っている為に効果は薄い。」
「近接攻撃は、可能なのですか?」
「あぁ。空間の断層は、僅かだが聖櫃との間に距離がある。そこに付け込めば、な。だが、喩え近付けたとしても、その魔力の障壁の前には骨が折れる……神に抗えるのは、我々大精霊とて容易ではない……」
「………死霊が効かないとは……あれが光の裁きか………厄介なことだ……」
ダリウスは刀を構えた。その刀身に魔力が集まっていく。
「………切り裂け!熾刃連煌!!」
ダリウスが構えた刀の刀身に纏った魔力が、炎に変換された。

