西の狼



ダリウスは再び刀を構えた。

その構えはさっきと同じ構えだった。




「……さっきの技か…!させるかッ!!」



レオンはダリウスが技を放つ前に懐に飛び込んだ。



「…近付いて技を封じる気か…だが、甘いな……」




「はあぁっ!!」



レオンは十分に近付いたところでアザトホースを振り抜いた。












だが、アザトホースは掠りもせず、ダリウスも姿を消した。




「!?ど、どこに………………!?」



辺りを見回すレオンだが、ダリウスの姿は見つけられない。



「………その命……」






「!?」




突如聞こえた声に振り返ったレオンは、頭上高く飛び上がって刀を構えるダリウスを見つけた。





「………絶たせて貰う!!」





ダリウスはさっきの技を放った。



だが、その技はさっきとは段違いの大きさと密度だった。




「くそッ……!!」



レオンは避けるのは無理だと判断し、魔力を練り上げて風の刃を飛ばした。



レオンとダリウスの間で、風の刃と漆黒の刃が激しくぶつかり合った。




「ぐおぉぉぉッ………!?」



レオンは更に魔力を込めた。


風の刃も、更に威力を増していくが、まだ漆黒の刃の方が上の様だ。




「……やはり、この程度か……」




「く………ッ、まだだぁッ!!」




レオンは更に魔力を込めた。

もうかなり限界近い魔力を放出している。

レオンの体も、もう限界だった………




「くあぁぁ………ッ!!」



レオンが更に魔力を込めた時、風の刃と漆黒の刃が爆発した。



その爆発で飛散した魔力は、辺り一面を切り裂いた。