西の狼




「レオン、君はあまりにも危険な存在だ…今この場で、その命……絶たせて貰う……」



ダリウスは、それだけ言って刀を構えた。


するとダリウスの纏う魔力が更に大きくなった。

ダリウスが構えた刀の切っ先は、まっすぐにレオンを狙っている。
その刃に、周囲の死霊が吸収されていく。


「……貫け、死閃連刃!!」


ダリウスは死霊を吸収して漆黒に染まった刀を縦に振り下ろした。

その軌跡をなぞる様に、黒い巨大な斬撃が放たれた。



「!?クロガネ!!」




「ぐぉッ………!?」




黒い斬撃を間一髪で剣を盾にして防いだ。



















…………が…………









ビキ……………ビキッ………!!






「!?何……!?」



剣にヒビ割れが広がっていく。






そして、ついに………













………ビキ……ッ



バキ…………ンッ!!





真ん中から、真っ二つに折られてしまった。


そして黒い斬撃はクロガネの左肩を深々と抉った。




「ぐあっ………!?」




「クロガネ!?」




クロガネは耐え切れずに崩れてしまった。

肩から落ちたレオンは何とか地面に着地した。




「………チッ…悪いが、今回はここまでだ……済まねぇな……」




「あぁ……ゆっくり休んでくれ……」


クロガネは再び、黒い砂の様になって消えた。レオンはアザトホースを抜きながら振り返った。




「………ッ、テメェ………ッ!!」




「どうした……ここが戦場である以上、味方が倒れるのは当然のことだ……次は、お前自身が倒れる番だ……」