西の狼



「俺は、この戦いの手助けがしたいんだ。あそこで戦ってる領主には世話になってるからな。」



「………はぁ……ったく、ご主人様のお頼みとあっちゃ、断れねぇな……」


クロガネは気怠そうに剣を肩に担いだ。


「あ、待ってくれ!」




「何だよ?」



「俺達も連れて行ってくれ!」



「……分かったよ。肩に乗れ。」



二人はクロガネの左手を登って肩に乗った。


「振り落とされんなよ………!!」


クロガネは腰を屈めて力を溜め、その勢いを利用してかなり高くジャンプした。


足元は大きく陥没している。



「……今行くぞ、ヴォルカス!!」



















「…………ハァ……ハァ……やはり、お前が率いていたか……」




千を超える敵との戦いの末、ヴォルカスは馬を失い、自身もかなりの手傷を負っている。






そして、ヴォルカスを囲む敵の群と、その先頭に立ってヴォルカスを見つめる一人の男………











「…………ダリウス………」





それは、かつての戦友……ダリウスだった。


「………無様だな、ヴォルカス騎士団長……流石の魔槍騎士も、この数相手では分が悪いと見える……」



「……我輩は、貴様らには屈せんぞ…!!」



「……私は、別に貴様の命を欲してはいない……」



「……『彼』か……貴様らは、一体何が目的なのだ……」



ヴォルカスの問い掛けに、意外にもダリウスの顔色は冷たい氷の様な表情になっていた。



「……我々は、世界に改革をもたらす為に行動している……」



「改革………だと?」