西の狼




「………何だ…さっきのは……」



ヴォルカスは騎士団の先頭に立って戦っていた。
そんな時、丘の上に突如山の様に巨大な巨人が現われたのだ。


だが巨人はすぐに黒い砂の様になって消えてしまった。




「ギャアアッ!!」



「……目障りだ!!」



ヴォルカスは襲いかかって来たラウガをランスで突き刺した。



「しかし、どこの部隊だ……これ程の大部隊、そうそう準備出来ないだろうが………」


ヴォルカスはランスを振ってラウガからランスを抜いた。


「……少し、数を減らすか……」



ヴォルカスはランスに左手を添えて構えた。

ランスに紅い魔力が集っていく。



「……はぁぁ……」



ヴォルカスは更に魔力を集めた。

集めた魔力がランスの穂先に紅い魔方陣を形作っていく。



「……滅せよ!ゲイボルグ!!」



ヴォルカスはランスを前に突き出した。

その動きに呼応して圧縮された魔力が放出された。


紅い魔力は眼前の敵の群を焼き払った。その光景は、さながら神の怒りに触れた民が、怒りの雷に焼き払われる様だ。


その爆風はヴォルカスのところまで届いた。


「………まだいるな……永い戦いになりそうだな……」


ヴォルカスはランスを再び構え、敵の群に突撃した。













「………来い!!クロガネ!!!」




レオンは再びクロガネを呼んだ。

さっきとは違い、今度はすぐに呼び出せた。



「……ん………なんだ、さっき会ったばっかりじゃねぇか……」



短期間に二度も呼び出されたクロガネは明らかに不機嫌そうだ。



「いや…実は、協力して欲しいんだが…」



「あぁ?」