西の狼




ロジャーはわざとらしく肩を落とした。


「……まぁ、これが召喚術ッス。それじゃあ、次はレオンさんの………」




「ロジャーさん!!!」




ロジャーがレオンに教えようと振り返った矢先に、衛兵が息も絶え絶えに駆け込んで来た。



「ど、どうしたんスか?そんなに慌てて………」



「ハァ……ハァ……て、敵が……」



「敵……?」


「敵が……街の近くに………」



「襲撃ッスか!?」




「……は、はい……ロジャーさんにも、召集が……」



「……分かったッス。ご苦労様ッス。少し休んで下さい。じゃあ、レオンさんは……」





「俺も行こう。」




「はい!?」




「ここの領主には世話になりっぱなしだからな。恩返しさせて貰うにはいい機会だ。」





「……じゃあ、一緒に行くッス!」



「あぁ。」



「ほら、ヘイムダール!いつまでじゃれてるッスか!!」



「ニャッ!?」



ロジャーは床を転がっていたヘイムダールの首を掴んで強引に連れて行った。



「どこに行くんだ?」



「取りあえず、ヴォルカス様のとこに行くッスよ。今は、多分城門前にいるッスよ!」



「分かった。急ごう。」



「はいッス!」




二人と一匹は城門へと走った。途中で何度か武装した兵士を見掛けた。





………どうやら、本当に襲撃の様だな……




回りに目を向けながら走っていると、すぐに二人と一匹は城門に辿り着いた。




そこには、城門前の広場を生め尽くす程の兵士と、それを率いるヴォルカスの姿があった。




「ヴォルカス様!!」




二人と一匹はヴォルカスの元に駆け寄った。


「ロジャー!?それに、レオン君!?何故ここに……」