西の狼



「それには、属性は関係無いのか?」




「召喚術は、純粋に魔力だけが必要なんすよ。だから、魔法が上手けりゃ上手い程召喚術も高度なものが扱えるんすよ。」




「そうなのか………」





「じゃあ、取りあえず見本をお見せするっス!」



ロジャーは一歩前に出た。



「………はぁぁ……」




ロジャーは両手を前に出した。その動きに呼応して足元に魔方陣が現われた。




「……来い、ヘイムダール!」



ロジャーの声に応える様に、ロジャーの目の前に何かが現われた。



「……よぉ、ロジャー…今度は失敗せずに呼び出せたな?」



「………これは………」


それは、小さな猫だった。





「………猫……?」




レオンが思わずそう呟いた瞬間、小さな猫はレオンに凄まじい視線を向けた。


「あぁ!?ンダ、テメェは……ナメた口聞いてっと俺の爪ヤスリにすっぞ!!」



「……はぁ………」



「ほーれ、ヘイムダール……」




レオンを睨み付けるヘイムダールの後ろからロジャーの声がした。


「!?」



その声と、若干の香りにヘイムダールは耳をまっすぐ伸ばして一気に振り返った。



「マタタビだぞ~…」





「ニャーッ!!!!!!!」





ヘイムダールは、凄まじい勢いでロジャーの右手に飛び付いた。



ロジャーの右手から何かを奪い取ったヘイムダールは床をゴロゴロと転がった。



その姿に、さっきまでの面影は皆無だった。




「……あれは……?」




「ヘイムダールは、ホントはあんな姿じゃないんすよ。でも、何かの呪いを受けちまったらしくて、今じゃ立派なネコっすよ……」