「「……御意……」」
「……ダリウスは、この街で生まれ、この街で育った。」
ヴォルカスは静かにダリウスの生い立ちをレオンに語った。
レオンは、出された紅茶を啜りながら耳を傾けていた。
「ダリウスが二十歳の頃、街の自警団に入団した。そして数々の戦果を挙げ、我輩の騎士団に推薦されたのだ。ダリウスは、騎士団の中でも飛び抜けて優秀だった………事実、騎士団の中で最も功績を挙げた。だが、それがマズかったのかも知れんな………」
「………」
「ダリウスは次第に強さのみを追い求める様になり、ただ強き者との戦いを求める戦闘狂となってしまった…………そして、騎士団に入団してから七年目の冬に、騎士団の幹部数名を暗殺し、追撃した騎士団員数十人を切り伏せ、騎士団を脱走した……」
「………そんなことが、あったんですか…」
「……暗い話になってしまったな……それで、我輩は君を訓練する様に魔王様より任せられているのだが……恐らくダリウスは近い内にこの城を襲撃するだろう。それまで、どれ程時間があるか分からない。だから、他の者と一緒になってしまうのだが………」
「構いませんよ……元々こちらが頼んでいる訳ですから、そちらの都合に合わせますよ。」
「そうか……おい!」
ヴォルカスはドアの側に立っている衛兵を呼んだ。
「ロジャーを連れて来てくれ。」
「はっ!」
衛兵は部屋をすぐに出て行った。
「……ロジャーというのは……」
「我輩の教え子の一人だ。多くの属性の魔法を操り、召喚術も扱える稀有な人材でね……手塩にかけて育てているのだ。」

