「……そうだな……」
ダリウスは空いてる席に座った。
「……さぁ、我々も動く時が来た様だ…地上では帝国が勢力を拡大し、他の国がそれを押し止どめようと共謀している……帝国には、もっと世界を乱して貰わなくてはならない……」
「だが、それには公国の四大貴族が邪魔になる……」
それは、ダリウスの向いの席に座る男の呟きだった。
男は、マリーゴールドの長い髪に、眼鏡をかけている。
その眼鏡の奥には、左右で色の違う赤と緑のオッドアイが揺らめいている。
「公国の四大貴族…『征天魔装』か…人間には過ぎた力だな……」
「それに、大精霊達も四大貴族に力を貸している様だ…我々を滅ぼすつもりなのだろう……帝国に我々が力を貸していることに気付いているな……」
「……ついに、我々と大精霊達との代理戦争になりそうですな…ダリウスよ、約束の皇子はまだ捨て置いても構わんのだな?」
ダリウスにそう尋ねたのは、白い顎鬚を撫でる老人だった。
髪も髭と同じ白髪だが、その藍色の瞳には強い眼光が宿っている。
「あぁ、そうだな……まさか、手を出すつもりじゃないだろうな、バルザム……」
「私は子供を苛める趣味は無い……だが、公国の四大貴族は放ってはおけん…私が直接潰して来るか……」
バルザムはゆっくりと立ち上がった。
「君が直接行くのか?」
「あぁ……そちらのことは任せる。子供は苦手なのでな……」バルザムはゆっくりと部屋から出て行った。
「……エノク、俺達はどうするんだ?」
「そうだな……約束の皇子はダリウスに任せよう。アレは、引き続きニコラスに頼もう。あとは好きにしてくれ。いずれその行いが、我々の悲願へと繋がるのだからね……」

