「……………あぁ、忘れていた……アザトホース、お前を起こしたのは、あのレオンに協力させる為だ。」
「レオン……………?」
魔剣には目は無いはずなのだが、レオンはこの時確かに身を貫く様な鋭い眼光をその魔剣から感じた。
「………おいおい、冗談じゃねぇぞガルディア………」
「何がだ?」
「…………………あいつ、人間だろ……………?」
「………あぁ、そうだ。」
「はっ、冗談じゃない…俺はゴメンだぜ。人間に仕えるなんざ…死んでもお断りだ。」
「……………彼は、約束の皇子だ…」
「!?………………あいつが……?」
「それでも協力する気にはならんか?」
「…………………良いぜ、ただし………条件がある。」
「条件……?」
「その人間の力が見たい………そうだな、そこの魔族。」
「…………俺か…?」
それは、アルナスだった。
「そうだ、オメェだよ。オメェとあの人間の小僧とで、決闘して貰う。」
「決闘…………?」
「そうだ。それに勝てたら、協力してやっても良いぜ。」
「………やれ、アルナス。」
「…宜しいのですか?」
「あぁ。レム、何か武器を貸してやれ。」
「そうだね………はい、レオン君。」
レムは何も無い空間から剣を出現させてレオンに渡した。
「………本当にやって良いのか?」
「うん。君なら十分勝てるよ。」
「………分かった。」
「取りあえず、さっきの部屋に行こうか。ここじゃ、狭いだろうからね。」
四人はレムの提案で魔方陣の部屋に移った。
レムと魔王と魔剣は部屋の隅に寄った。中央ではレオンとアルナスが向い合っている。アルナスは細身の剣、レオンはロングソードだ。

