引き抜かれた魔剣は台座に刺さっていた時よりも濃密な魔力を放っている。
魔王が引き抜いたことで分かったが、この魔剣は普通の片手剣よりも大振りな様だ。
「……何時まで寝ている気だ、アザトホース……」
魔王が突然魔剣に向かって話しかけた。
「……んぁ……?」
なんと魔剣もそれに答えた。
「いい加減目を覚ませ、アザトホース。」
「んぁ……あぁ、なんだよ一体……ん、オメェは……」
その魔剣はまるで寝起きの様な声で魔王に話しかけた。
「……おぉ、思い出した…オメェ、ガルディアだな?」
「ようやく思い出したか、アザトホース……寝ぼけるのも大概にしろ。」
「いやぁ、この体はどうも魔力の消費が多くってなぁ……すぐに眠くなっちまってよぉ……」
「………………………………………………」
「……………………………………」
「……………………………………」
「………………………………ぐぅ……」
「寝るな。」
ガインッ!!
魔王が魔剣で台座を思いっ切り殴った。
「イッテェ!?」
そのあまりの衝撃に耐え兼ねたのか魔剣は大きな叫び声を上げた。
「テメェ、いきなり何しやがる!」
「いきなり寝るお前が悪い。」
「上等じゃねぇか、このヤロウ!!」
「今度は折るぞ?」
「ハイ、スイマセン。」
「早っ!?」
その二人(?)のコントの様なやり取りに思わずレオンのツッコミが飛んだ。

