男の方は、肩まで伸びた金髪に青い鎧を着ている。その右手には男の身長よりも長い槍を持っている。

「仕方無かろう。帝国が我々の意を汲んでくれると思うか?」

女の方が愚痴を漏らした男に言った。

「そんなことはガラルドだって分かっているさ、アイナ。そう目くじらを立てなくても良いだろう?」

そう言ったのは槍を持った男だ。

「アルバート…お前はまたガラルドの肩を持つのか?」

アイナと呼ばれた女は溜め息を漏らした。

「いや、事実を述べただけだよ。」

「…ふぅ…食えん男だ。」

そんな事を話していると三人の前に大きな扉が現われた。ガラルドはその扉を開けて中に入った。中はまた長い部屋だった。一番奥には数段上の椅子に一人の女性が座っている。その前に床に着きそうな流さのマントと薄紫色の長髪の男がいた。その右手には長い杖を握っている。男は扉が開いた音に振り返った。その顔は女性と見間違いそうになるほど整った顔をしている。

「よぉ、シェルフィード。やっぱりお前も来てたか。」

三人はシェルフィードと椅子に座った女性に近付いた。

「無論だ。貴公らこそ到着が遅れた様だが…何かあったか?」

「あぁ…今日は息子の誕生日でなぁ…その途中だったんだが…」

「それは、申し訳ありませんでした…」

そう言ったのは椅子に座った女性だった。四人はすぐに片膝を着いた。

「申し訳ありませんでした、ブラーニング卿…貴方の息子の誕生日なら、また明日にでもしたのですが…」

「いえ、女王殿下がお気に病むことはございません。全ては帝国の侵略に端を発したこと…非は帝国にあるのですから。」

「…そう言って貰えると、助かります。貴方方には、いつも苦労をかけます…」

「いえ、それこそが我々四大貴族の務め。お気になさらないで下さい。」

アイナがそう言うと女王は少しだけ表情が和らいだ。