「大監獄都市『バビロン』……通称死神の檻…魔界各地の凶悪犯を捕え、相応の罰を下す為の場所ですよ。もっとも、捕えられた犯罪者は、そのほぼ全てが死刑若しくは終身刑になるので、死神の檻などと呼ばれるのですが……」
「それなら、監獄だけで十分だろう。なぜ『都市』なんだ?」
「そこで働く者は、全員住み込みなのですよ。だから、大勢を収容する為に都市として発展したのですよ。私や騎士団の団員も全員バビロンの都市部に住んでるんです」
「良く出来てるんだな……そのバビロンから出ることは出来ないのか?」
「バビロンから出ることはありませんよ。終身刑の囚人は都市部で店を構えたり、住んだりする者もいますが、都市部には我々騎士団が武装して出歩いているので、変な気を起こす者はいませんが………」
「それでも、脱走する奴はいるんじゃないのか?」
「………そうなれば、問答無用で死刑ですがねぇ……」
そう言うジブリールの顔は笑っているが、明らかに殺気を含んだ気配を纏っている。
その気配は確かに処刑人としての気配を感じられた。
「………まぁ、お前のことは良い。後は………」
レオンがそこで言葉を切ると、レオンとジブリールとロジャーの視線がレオールへと注がれた。
「……お前はこれからどうするんだ?」
「そうですねぇ……領主がいなくなってしまいましたからねえ…新たに領主をたてなければ、街そのものが瓦解しかねませんしねぇ……」
「……俺は、お前が領主になるのも、手だとは思うが……」
「………は……?」
その言葉は、流石にレオールも予想外だったらしい。
レオンがそう言ってから数秒間、沈黙で室内が満たされた。

