「おぉ、イレール……!!良かった……無事だったのか……本当に、ありがとうございました」
宿屋に着いてすぐに出迎えたのは、宿屋の主人だった。
主人はイレールの姿を見つけるとすぐに駆け寄ってきてレオン達に深々と頭を下げた。
「いえ………本当は、俺がちゃんと見ていればこんなことにはならなかったはずだ………済まなかった……」
「何をおっしゃいますか。皆様がいたから、イレールは無事に帰ってこれたのですよ。皆様を責める気はありませんよ」
「………済まない……イレールは、暫く休ませてやってくれ。俺達は俺の部屋にいる」
「かしこまりました。本当に、ありがとうございました」
レオンはイレールを主人に預けて部屋に戻った。
「………さぁ、聞きたいことが山程あるんだが………」
「えぇ。お話しできることなら、お答えしますよ」
「お前は、あの領主を捕える為に来たと言っていたな。あの領主はそんなに前から不老不死を企んでいたのか?」
「えぇ。私達が情報を掴んだのは、半年程前でした。」
「なら何故その時点で捕えなかったんだ?」
「情報を掴んだ頃、私は監獄内の謀反の首謀者の割り出しの任務の最中でした。その為任務に出向くのが遅れ、この様な事態を許してしまいました……申し訳ありません……」
「……いや……あの領主は、どうなるんだ?」
「監獄都市中枢部、裁判委員会にて裁かれることになるでしょう。そこで死刑となれば、我が騎士団が刑を執行致します。少なくとも、終身刑程度にはなるでしょうがねぇ……」
「…………そうか……そのバビロンというのは、どういう場所なんだ?」

