「それは簡単ですよ。彼等は私の部下だからです」
答えたのは、ミカエリアだった。
「ミカエリア………ただの旅人ではないと思っていたが、一体お前は………」
「……そうですねぇ……そろそろお教えしましょうか…私は、魔界の北端にある大監獄都市『バビロン』の、裁判議会直轄組織『天刑執行騎士団』騎士団長……名を、ジブリール・ヴァイセルトと申します」
「……ミカエリアというのは、偽名だったのか………」
「えぇ……騙す様な真似をして申し訳ありませんでした……ですが、これも仕事のためですからね……私は、議会の要請でそこの領主を捕縛するためやって来たのですが………まさかこれ程とは思いませんでしたよ………」
そうこうしている内に騎士達が縄で領主を縛っている。
「では、頼みましたよ。必ず本部に送り届けて下さい」
「ハッ!!」
騎士達は短い返事を告げると、縛った領主を連れて行った。
残されたレオン達は武器を納めて向き合った。
「………いろいろと聞かせて貰おうか?」
「私は構いませんが、彼女は良いのですか?」
レオンはその一言で大事なことを思い出した。
レオンは急いでさっきのドラゴンの中から現われた女性のもとへ駆け寄った。
女性は気絶していたが、その顔は間違いなくイレールだった。
「………イレール………だったのか……だが、なぜ………」
「取りあえず、宿屋に戻りましょう。私も、そこでお話ししますよ?」
「…………分かった…」
イレールはレオンが背負って、四人は宿屋に戻った。
四人はもうボロボロだった。
ロジャーは、ただただイレールの具合が気になって仕方が無かった。

