「………ハァ………ハァ………クソッ、どれだけタフなんだアイツは……ッ!!」
レオン達は、ドラゴンの首をあと二本まで切り落とした。
だがそれが限界でもあった。
空を押さえていたロジャーのドラゴンも、今はもうロジャーの乗る一匹だけだった。
レオールは黄金の槍の使い過ぎか、息がかなり荒くなっている。
レオンも、だいぶ魔力を消費してしまった。
ただ一人、ミカエリアだけは何故か本気の様には見えなかったが、レオンはそこまで気が回らなかった。
「……クッ、ここまで来たのに……私は、結局妹一人も救えないというのか……」
「…グウゥ………ッ!オのれ、こザカしい……モはやこノカラだももタないが、キさまらをみチヅれにしてヤル……ッ!!」
ドラゴンは切り落とされた首元から血を滴らせながら、残りの頭にそれぞれ紅と蒼色の炎を溜め込み始めた。
「ッ!?デカいのが来るぞ!!クロガネ!一旦退けッ!!」
レオンは嫌な予感を感じて一番ドラゴンに接近していたクロガネを下がらせた。
「グハハハハッ!!コれでオわリ………ッ!?ガ、アァッ!?」
ドラゴンはいざ火球を放とうとしたその時、急に苦しみ悶え始めた。
「ガ、アァッ!?ナンだ…こレは……ッ!?」
ドラゴンは苦しみながら自分の胸元をかきむしっている。
「ガアァアアアァッ!?」
不気味な咆哮を上げたドラゴンの胸元から、一気に大量の血飛沫が噴き出した。
その中から現われたのは、軍馬に跨がり鎧を纏う、槍を手にした女性だった。
風に靡くブロンドの長髪が、それを女性だと示していた。

