………ここは………
光一つ届かない暗闇の底で、彼女は目覚めた。
辺りには何も感じ取れず、ただ沈黙が彼女を包み込んでいるだけだった。
……ここは…どこ……?
………私は………誰………?
その時、遥か彼方に一つの光が煌めいた。
…………あれは………何………?
その光は、一つ……また一つと数を増やしていく。
その光は、遥か彼方にあるはずなのに……
まるで春の日の光の様に、暖かく、優しくて…………
…………どこか、懐かしかった………
「はあぁぁっ!!」
レオンはアグニをドラゴンの首目掛けて振り抜いた。
アグニは確かな軌道を描いてドラゴンの首へと吸い込まれて、その首を刎ねた。
「グアァァァッ!?」
ドラゴンの不気味な咆哮が木霊し、刎ねられた首元からは血飛沫が飛び散っていた。
あれ程暴れていたドラゴンも、次第にその首を減らし、残るは四本のみとなっていた。
羽も一枚切り落とされているため、羽ばたくこともできずに、地上での戦いを余儀なくされていた。
首を切り落としたレオンは体をひねって地面に着地した。
そこにドラゴンが火球を放ったが、レオンは後ろに飛び退いてそれをかわした。
「クッ、まだあれだけの力が残ってるのか……無駄にタフなんだな………」
「恐らく、取り込んだ娘達の体力を吸収してるんだろうな。だが、たかだか200人とちょっとだ。あの首を全て落とせば、自分の魔力の高さに体が耐え兼ねて、自滅するだろうよ」