だがそれをレオンの腕が遮った。


「ここは任せて貰おうか」



「何を………」



レオールの声を遮る様にレオンは右手を上に突き出した。









「来い、クロガネ!!」





ドラゴンが放った火球は、三人を優に飲み込める程巨大だった。




だが、その火球は三人を飲み込む事なく空中で何かに衝突して凄まじい爆炎を上げた。






「………ム………?」



爆炎を切り裂いて姿を露にしたのは、黒い鎧を身に纏った山の様に巨大な巨人だった。




それは、レオンが召喚した鎧王族のクロガネだった。


「な、なんだこれは………」


「これはこれは………驚きましたねぇ……」



「……よう、レオン……ようやく出番か?」



それは目の前の巨大な巨人の声だった。


「あぁ。急に呼び出して悪いな、クロガネ。力を貸して欲しい」



「お前の望みなら、従ってやるさ」



「……アイツを、倒す手伝いをしてくれ」


「………おうよ……」




クロガネは手にした巨大な剣を構えた。



「ウオオオォッ!!」



クロガネはドラゴンへと切り掛かった。



その様は、まるで回りの建物がミニチュアの様に見えるほどの戦いだった。



「あんなものを召喚するとは……レオン、君は一体………」



「………俺は……」




「レオンさん!!」



その声に振り返った三人は、遠くから杖を手にして走ってくる少年を見つけた。



「……ロジャー?」



それは、いつの間にか姿を消していたロジャーだった。



「ハァ……ハァ……一体、何があったんスか?クロガネまで召喚するなんて……」


肩で息をしながらロジャーは懸命に言葉を紡いだ。