西の狼




当の本人はというと、先に歩いていたが為に人込みにのまれていた。




「………何か、さっきの場所と違うッスねぇ………」



人込みを掻き分けてようやく抜け出したロジャーだったが、そこは明らかにもといた場所とは違う場所だった。

「………もしかして………迷子ッスか……?」






ロジャーの首筋を、冷や汗が伝うのが分かった。



















「……どうしましょう……ロジャーさん、この街のことはまだ良く知りませんよね……?」


「あぁ………クソッ、しっかり見ているべきだった……ッ!」



レオンは壁を殴り付けた。


「……慌てても仕方ありませんねぇ……ロジャーさんも子供ではありませんし、今慌てて私達まではぐれては元も子もない。取りあえずは、固まって探しませんか?」



「………あぁ、そうだな……イレール、取りあえず近くを探したい。案内してくれないか?」



「は、はい!」



三人は人込みを掻き分けながらロジャーを探した。


大通りから小さな路地まで、いくつかの出店には聞いてみたりもしたが、やはりどこも覚えていなかった。



「………いませんね、ロジャーさん……」



「あぁ……一体どこに行ったんだ、アイツは……」



辺りの人込みを見ていたレオンの視界に、昨日の男達のリーダーが映った。


「ッ!?アイツだ!!行くぞ!ミカエリア!イレールはここにいろ!!」


「はい!」



ミカエリアとレオンは見つけた男を追って人込みに消えて行った。


残されたイレールは呆然とそこに立ち尽くしていた。




その数歩後ろに、イレールを見つめる男がいることに、三人は気付くことが出来なかった………