一人は、明らかに貴族だとでも言いたいかの様な衣服に身を包んだ小太りの中年男だった。
しかし、その脇には、四人も良く見知った男が立っていた。
「………レオール……?」
「……?君達は、さっきの……」
「なんだ、知り合いかレオール?」
小太りの中年男の声は、かなり高圧的な声色をしていた。
「えぇ……先程、見回りの際に助けた者達です。まさかこんなに早く再会出来るとは思っていませんでしたが………」
「………ふん、まぁ良い。」
男とレオールは四人の座っているソファーのテーブルを挟んだ反対側に腰を下ろした。
「さて、魔王様の通行証をお持ちの方々が、一体何のご用でこちらに参られたのでしょう……?」
四人に対する男の口調はさっきとは打って変わって気持ち悪い程の猫撫で声に変わった。
「………失礼ですが、貴方は?」
「おや、ご存じありませんかな?私は、この街の領主をしております。バラム・ギーランドと申します。以後お見知りおきを……」
バラムはそう言ったが、その目は明らかに好意的ではない。むしろ権力を狙う狸と言ったところか。
「領主様、ちょっと………」
そこに、部下とおぼしき男がやって来てバラムに耳打ちした。
「………分かった……申し訳ありません、ちょっと私用で……」
「えぇ、お時間を戴きありがとうございました。」
「レオール、任せたぞ……」
「………はっ……」
バラムはレオールに後を任せて部屋から出て行った。
「………君達、なぜここに来たんだ……」
「………それはこちらの台詞だ……何でアンタがここにいるんだ?自警団なら、街に詰め所でもあるんじゃないのか?」

