西の狼




「……いずれにしても、これはそう簡単な問題では無くなった様だ。出来れば、領主を尋ねたいものだが……祭りの間は難しいだろうな……」



三人はそこで壁にぶち当たった。



揃って首をひねって唸っていると、誰かがドアをノックした。




「はい、開いてるッスよ。」



ロジャーの声が届いたのか、ドアがゆっくりと開かれた。







そこには、イレールが顔を覗かせていた。


「イレールさん?どうしたんスか?」



「あの、ドアの前で話が聞こえたもので……その、なんなら領主様のお館にご案内しますけど………」



その時、レオンとミカエリアの顔色が変わった。


「……その手がありましたねぇ……この際、イレールさんに案内して貰うというのも手ではありませんか?」


レオンは暫く考え込んでいたが、やがて決意したのか顔を上げた。



「………頼めるか?」



「………はい!!」



四人は宿屋の一階で軽い空腹を満して、再び街中へ出た。











「………あそこが、領主様のお館です。」


三人はイレールに導かれて街を北に歩いていた。




やがて見えたのは、広場よりも遥かに広い敷地のその奥に居を構える、豪勢な屋敷だった。



イレールによると、どうやらあの屋敷が領主の館のようだ。




四人は館の門の前にいた門番に話し掛けた。




「………あの………」




「何だ?」



「領主様にお会いしたいのですが、お取り次ぎ戴けませんかねぇ……?」




「領主様は祭りの準備でお忙しい。祭りが終わってからにしろ。」


「………これならどうだ?」