西の狼



「……今日は、申し訳ありませんでした…また、私のせいでご迷惑を………」




「まぁ、仕方ないでしょうねぇ…彼等も相当執念深いご様子でしたし、何やら不穏な雰囲気でしたからねぇ……」



「もはやちゃんとした思考が出来るのかどうかも怪しいものだが………」


「まぁ、そこは後で話しましょう…それでは、イレールさん。今日は楽しかったですよ。ありがとうございました。」



「僕も楽しかったッスよ、イレールさん。」


「……俺も、良い息抜きになった。」




「………はい……」





イレールと別れて三人はレオンとロジャーの部屋に来た。




しばし沈黙が続いたが、最初に切り出したのはレオンだった。



「……黒幕は、誰だと思う、ミカエリア……?」




「………さぁ…さすがに私にも分かりませんよ。今のままでは情報が少な過ぎますし、仮に情報があったとしても、今は手出し出来ないでしょうねぇ……」


「え、どうしてッスか?」



「明日は祭りだ。恐らく、あの自警団が警備を敷くだろう。そうなれば、下手に街中で騒ぎを起こすことは避けた方が良い。俺達が投獄されかねないからな。」



「………ハァ……そうなんスか…?」



レオンはロジャーの反応に軽い目眩を覚えた。



ロジャーにこの手の話は厳しい様だ。



「……だがそれは、相手も同じだろう。あのレオールとやらは中々に鋭い男の様だ。下手に動けば自らの姿を晒すことになりかねない……あの男は、決して取り逃がしたりはしないだろうしな。」



「そうですねぇ…確かにあの方は、そういう面では信用できそうですしねぇ………」



ミカエリアは若干笑っている。