西の狼




その瞬間、レオンは遠方から複数の馬の足音を聞いた。





「………どうやら、心配する必要は無さそうだな。」




レオンの言葉通り、四人を囲んでいた男達は、どこからか現われた馬に跨がった騎士達によって蹴散らされた。


「……チッ……退くぞッ!!」





リーダーらしき男は他の男達を連れてどこかへと立ち去った。


レオン達は構えを解いて剣を納めた。


騎士達の中から一人が降りて四人のもとに歩いて来る。


「……ご無事か?」



「あぁ、助かった。アンタは………」



「申し遅れた。」



騎士はゆっくりと被っていた兜を外した。



現われたのは、爽やかな金の短髪に金眼の若い男だった。



兜をゆっくりと外したのは、警戒させないためだろう。



「私は、この街の自警団を纏めている者だ。レオール・アズラフェルという。」



レオールと名乗った男は右手をレオンに向けて差し出した。




「……レオン・ジス・ブラーニングだ。」



レオンは差し出された手を握り返した。



「……さっきの男達とは、どういった関係なのかな?」


「……この人が昨日路地裏で絡まれていたところを助けてな。その時の男達がいた。恐らく仕返しにでも来たんだろう。」



「そうか……ともかく無事で何よりだ。今日はもう戻った方が良い。」



「……そうだな。そうさせて貰う。助けてくれたこと、感謝する。」


「これも自警団の仕事でね。引き上げるぞ!」


レオールは再び兜を被って馬に跨がり、去っていった。




「……俺達も宿屋に戻るぞ。また襲われてはたまらんからな。」



誰も否定はしなかった。

四人は特に急ぐでもなく、宿屋に戻った。