西の狼



「………確かに、信用出来ないだろうな……なら、これは信用出来るか?」



レオンはそう言いながら荷物の入った袋から一枚の紙切れを出してミカエリアに見せた。



「……これは……!?貴方、これをどこで……!?」



「それの価値が分かるのか……」



「何なんスか?」




「これは、魔王が直接発行している通行証だ。魔界全土を行き来できる唯一のものだ。」


「……そう。そしてその有用さ故に、魔王様ご本人のみが創造できる希少なものです……これを所持しているとは……貴方は十分信用出来る様ですね。」




「……ならば聞かせて貰おうか。魔女の一族の話を。」



「………魔女の一族は、伝説の大魔導師マーリンを祖とする高貴な一族です。その起源は定かではありませんが、少なくとも魔王様が現われてすぐに誕生した一族の一つだと言われています。」



「……魔女の一族は、女性しか生まれないのか?」




「魔女の一族は、代々血脈に残る情報と魔力を媒介にして、次代の子孫を自ら創造できたと言われています。それ故、男子を必要としなかったのでしょう。そして、その血脈に残る情報というのが、一族の者のみに扱える魔法のことなのです。」




「具体的には、どんな魔法を使うんだ?」




「一つは、先程体感した『時空間操作』です。これは、術者が指定した一定範囲を別の空間に移し替えることが可能となります。もう一つは、『空間去来』といいます。これは、人は運べませんが、狭い範囲の空間を取り除くことで、敵の攻撃や敵そのものを抉り取ることが出来ます。この他にも様々な専用魔法が存在します。」



「………そんなに……それで、何で殲滅させられたんスか?」