西の狼



「……ダリウスに……?」



「あぁ。だけど今回はお前の顔を見に来ただけだ。お前、名前は?」





「…………レオンだ。」




「………ハッ…そうかい。じゃあな、レオン!今度会う時は、剣でお前と向き合いたいもんだ……行くぞ、アリアン!」






「…………はい………」




アリアンはさっきと同じ動きで杖で地面を叩いた。





すると今度は荒れ地全体が発光し、全てが光に包まれた。
















レオンが閉じていた目を開くと、そこはさっきの路地裏だった。




先程の三人の姿は消えていた。







「………何だったんだ…一体………」



「………あの魔法は…………」





レオンが剣を納めた時、ミカエリアが呟いた。






「知ってるのか?」




「えぇ……あれは、恐らく魔女の一族のものです。」




「魔女?」




「えぇ……ですが、先の大戦で十騎士の手で殲滅されたはずなのですが………」



「………生き残り、ということか……」





「……う…ん………」






二人が聞いた呻き声は、イレールのものだった。





「………取りあえず、この方をお送りした方が宜しいでしょうねぇ…」




「……あぁ。そうだな。アンタも、一緒に来ないか?」




「……私が、ですか?」



「あぁ。さっきの魔女の一族の話を詳しく聞きたい。」




「………わかりました。ご一緒しましょう。」



レオンは剣を納めてイレールをおぶった。

二人は、レオンの泊まっている宿屋に向かった。