「……何だ、ボク?お兄さん達に交ぜて欲しいのかな?ギャハハハ………!!」
男の下品な笑い声に合わせて他の二人の男達も笑っている。
「……くだらない……吐き気がする……」
その若い男の一言が、男達の神経を逆撫でした様だ。
男達は、各々ナイフを取り出している。
「……おいガキ……あまり調子に乗るんじゃねぇよ……ッ!!」
女性を壁に押し付けていた男がまずナイフ片手に若い男に躍りかかった。
だが、男のナイフは若い男が抜き放った剣の一撃で真っ二つに叩き折られた。
「……な…に………?」
男の額を冷や汗が伝う。
「こ、このガキ………ッ!!」
残りの二人もナイフを片手に若い男に躍りかかった。
だが、その二人もあっさりとナイフを折られて、更に足を払われて派手に転んだ。
「ッ………!?」
二人の男は背中を打って悶えている。
「………チッ………」
「……さっさと帰るんだな…でないと、街の自警団に引き渡すぞ。」
若い男はナイフを折られた男の喉元に刃を突き付けた。
だが、男は不敵な笑みを浮かべている。
「………いや………捕まるのは、テメェだ……!!」
男が声を上げた瞬間、路地裏の至るところから目の前の男達と似た雰囲気の男達がゾロゾロと姿を現した。
「………どれだけいるんだ………」
若い男は剣を突き付けたまま周りを見回した。
ざっと二十人はいるだろうか。
各々が、ナイフや剣を持っている。
若い男は次に女性に目を向けた。
腰を抜かして座り込んでいるが、どうやら怪我はしていない様だ。

